PARTICIPANT REPORT

AOCMF Course Awaji

2010 6/30 - 7/2

藤村 大樹 先生 (京都第一赤十字病院 形成外科)

2010年6月30日から7月2日まで、3日間にわたって淡路夢舞台国際会議場にて開催されたAOCMF Courseに参加いたしました。

Image3日間のハードなスケジュールでしたが、得るものも多々あった有意義な研修でありました。顔面外傷の治療もこれまでにそれなりの数をこなしてきましたが、正直に言って今回の様な系統立てた教育は受けたことがありませんでした。諸先輩方からの直々の教えと自分なりに教科書や文献を当たって身に付けた知識で手術してきたわけです。一方でそんな自分のやり方には常に一抹の不安を感じておりましたし、これでいいのだろうかと自問することもしばしばでした。これは多くの形成外科医に共通していることではないでしょうか。
今回の様な体系的な講義と実習を受けたことによって、今後はより理論的裏付けのある治療を進めていけると思います。

Image特に初日~2日目の前半を通して行われた下顎骨骨折の講義は、整復後にいかに咬合の力に耐えうる固定を行うかということを咬合における力学的観点から説明されており、なんとなく下顎骨骨折は術後の顎間固定が必須とおもっていたこれまでの固定観念が覆されました。
また一般病院で普通に診療をしているだけではなかなか経験しにくい顔面骨骨切りの講義や実習を受けられたことも貴重な経験となりました。実際顔面外傷を取り扱っていると、どうしても陳旧性の骨折の形成治療をしなければならないことがありますが、これまではかなりおそるおそる行っていたpterigomaxirally junctionの離断なども、実習中に直に講師の先生に質問しながらできたことにより、かなりイメージが鮮明になりました。

Image夜は形成外科、歯科口腔外科の先生方入り混じって即席の宴会となり、遅くまで飲み、語り、翌日に影響してしまった人もいたようでしたが、全く違う専門分野の人たちと腹を割って話し合えたことは何にも代えがたい思い出となりました。特にこの顎顔面外科領域はいくつもの科の境界領域となっている分野です。私自身常日頃から耳鼻咽喉科や歯科口腔外科との住み分けというものに心を砕いており、これら診療科の先生方の本音が聞けたのは貴重な経験でした。
3日間スケジュールは本当に緊密に組まれており、夜になっても夕食をとりながらディスカッションなのには驚きました。もはや学生の時のようにじっと座って何時間も講義を受けられる年齢ではないことを実感させられ、3日目などは朝からかなり疲れていましたが、(飲みすぎのせいもある?)疲れるだけの講習会にならないような工夫が随所にこらされていました。
手術とは結局のところ、ときには失敗も繰り返しながら自分なりに術式を確立していくしかないものだと思っておりました。いわゆる徒弟制の考え方です。しかしながら今回AOCMF Courseを受講して、欧米では先達が身に付けた知識、技術を体系的なシステムで次世代に教育することに非常に長けていると改めて感じました。もっと早い内にこの様な講習が受けていられればと強く思いました。
今回のようなコースを開催するに当たっては多くの方々の尽力があったことと思います。心から感謝いたしますとともに、今後ますますのこのコースの発展をお祈りいたします。